前回のレッスンで、スペイン語はほぼ書いてあるとおりに読めることがわかりました。今回は残りの文字を、実際の地名や人の名前を声に出して読みながら、一つずつ片づけていきます。最後には、自分の名前のつづりをスペイン語で伝えられるようになります。
会話
メキシコの町グアダラハラ。日本から着いたばかりの林健太さんが、ホテルのフロントでチェックインをしています。
| スペイン語 | 日本語 |
|---|---|
| Recepcionista: Buenas tardes. Bienvenido a Guadalajara. | フロント係: こんにちは。グアダラハラへようこそ。 |
| Kenta: Gracias. Me llamo Kenta Hayashi. | 健太: ありがとうございます。林健太です。 |
| Recepcionista: ¿Cómo se escribe, por favor? | フロント係: つづりを教えていただけますか。 |
| Kenta: Hache, a, i griega, a, ese, hache, i. | 健太: H、A、Y、A、S、H、I です。 |
| Recepcionista: Muy bien, señor... ¿Ayashi? | フロント係: かしこまりました、ええと…アヤシ様? |
| Kenta: No, no. Jayashi. | 健太: いえいえ、ハヤシです。 |
| Recepcionista: ¡Ah, Jayashi! Perdón. | フロント係: ああ、ハヤシ様。失礼しました。 |
| Kenta: No pasa nada. | 健太: 大丈夫ですよ。 |
フロント係の人は、Hayashi を「アヤシ」と読みました。スペイン語では h を読まないので、これはスペイン語を話す人にとってごく自然な読み方です。そこで健太さんは、Jayashi と言い直しました。スペイン語の j が、日本語の「ハ」に近い音だからです。
こういう工夫ができるのは、スペイン語の文字と音の関係を知っているからです。このレッスンを終えるころには、みなさんにもできるようになります。
会話に出てきた Perdón(ペルドン)は「すみません」「失礼しました」、No pasa nada(ノ パサ ナダ)は「大丈夫、気にしないで」です。どちらも毎日のように使う一言なので、このまま覚えてしまいましょう。
r と l: ラ行が3つに分かれる
日本語のラ行の音は、スペイン語では r、rr、l の3つに分かれます。日本語を話す人がいちばん気にするところなので、最初に片づけてしまいましょう。
1つの r は、日本語のラ行そのまま
まずうれしいお知らせです。単語の途中にある1つの r は、舌先で上の歯ぐきを一回だけ軽くはじく音です。これは日本語の「ラ・リ・ル・レ・ロ」とほとんど同じ音なので、いつもどおり「ら」と言えば、それが正しいスペイン語の r になります。
pero(ペロ、でも) Perú(ペル、ペルー) Sara(サラ、女性の名前)
単語の最後の r も同じ一回はじく音ですが、カタカナの「ル」のように「ウ」をつけません。señor や por favor の最後は、舌で一回はじいたら、そこで終わりです。
rr と、単語の最初の r は巻き舌
rr と書いてあるとき、そして単語の最初に r があるときは、舌先を歯ぐきの近くで「ルルル」と何回か震わせる、いわゆる巻き舌になります。
perro(ペロ、巻き舌、犬) Rosa(ロサ、巻き舌、女性の名前) Puerto Rico(プエルト リコ、Rico の r が巻き舌)
カタカナではどちらも「ロ」になってしまうので、このコースでは巻き舌のときに「巻き舌」と書き添えます。pero(でも)と perro(犬)は、舌を一回はじくか震わせるかだけの違いで、意味がまったく変わります。
l は舌をつけたまま
l は、舌先を上の歯ぐきにぴったりつけて、離さないまま声を出します。音は舌の両わきから流れ出ます。日本語の「ラ」より少しやわらかく、長めに響く音です。
Lima(リマ、リマ) Toledo(トレド、トレド) Brasil(ブラシル、ブラジル)
カタカナでは l も r も同じラ行になってしまうので、つづりをよく見ることが大切です。pelo(ペロ、髪)と pero(ペロ、でも)は、カタカナではまったく同じですが、別の言葉です。
例 次の3つの名前を読んでみましょう。Carlos、Laura、Ramón
Carlos: カルロス。car の r は一回はじくだけで、「ル」の「ウ」は言いません。そのあとの l は舌をつけたまま。
Laura: ラウラ。最初の l は舌をつけたまま、2つ目の r は一回はじく音。同じ「ラ」でも舌の動きが違います。
Ramón: ラモン。単語の最初の r なので巻き舌です。
やってみよう 次の地名や名前の r と l は、それぞれどの音でしょう。(1) Barcelona (2) Roberto (3) Clara
答え
(1) バルセロナ。bar の r は一回はじく音、lo の l は舌をつけたままの音です。
(2) ロベルト。最初の R は単語の最初なので巻き舌、ber の r は一回はじく音です。
(3) クララ。cla の l は舌をつけたまま、ra の r は一回はじく音です。
巻き舌ができないときは、どうすればいい?
巻き舌は、大人になってから練習を始める人の多くが苦労する音です。できなくても、あせる必要はありません。
練習のこつは、舌の力を抜くことです。舌先を上の歯ぐきの近くに軽く置き、強めに息を当てて、舌が勝手に震えるのを待ちます。「トゥラ、トゥラ」と速く言ったり、「ドゥルルル」と車のエンジンのまねをしたりするのも、よい練習になります。毎日少しずつ続けていると、ある日ふっとできるようになります。
できるようになるまでは、一回はじく r を少し強めに言っておけば、たいてい話の流れで通じます。ペットの話をしているときに perro を pero と言っても、相手はちゃんと「犬」だとわかってくれます。
j と g: のどの奥から出す「ハ」
会話で健太さんが使ったのが、この j です。j は、いつでも日本語のハ行に近い音で読みます。
| つづり | ja | je | ji | jo | ju |
|---|---|---|---|---|---|
| 音 | ハ | ヘ | ヒ | ホ | フ |
Japón(ハポン、日本) José(ホセ、男性の名前) Juan(フアン、男性の名前) jamón(ハモン、ハム)
日本語の「ハ」との違いは、息を出す場所です。日本語の「ハ」よりも少し奥、のどに近いところで、息をこするように出します。
カタカナで気をつけたいのは ju と ji です。日本語の「フ」は唇をすぼめて息を出しますが、スペイン語の ju は唇を使わず、「ハ」と同じのどの奥の息に「ウ」をのせます。ji も、「ヒ」より奥で息をこする音です。
スペインの j は強めで、のどをこするざらざらした音になります。メキシコなど中南米の多くの国ではもっとやわらかく、日本語の「ハ」にかなり近い音です。どちらで言っても通じます。
g は、うしろの母音で2通りに読む
g は、うしろに来る母音によって読み方が変わります。
| つづり | 音 | 例 |
|---|---|---|
| ga, go, gu | ガ、ゴ、グ | gato(ガト、猫)、Málaga(マラガ) |
| gue, gui | ゲ、ギ | Miguel(ミゲル)、guitarra(ギタラ、巻き舌、ギター) |
| ge, gi | ヘ、ヒ(j と同じ) | gente(ヘンテ、人々)、Argentina(アルヘンティナ) |
ga、go、gu は日本語のガ行と同じです。ところが ge と gi になると、j と同じハ行の音に変わります。アルゼンチンはスペイン語では「アルヘンティナ」です。
では「ゲ」「ギ」と言いたいときはどうするのかというと、間に u をはさんで gue、gui と書きます。この u は読みません。前回の qu(qué = ケ)と同じしくみです。
例 会話に出てきた町の名前 Guadalajara を読んでみましょう。
gua は g のうしろが u なので「グ」、そこに a が続いて「グア」。ja は「ハ」です。全体ではグアダラハラ。記号がなく a で終わるので、後ろから2番目の ja を強く読みます。
やってみよう 次の地名や名前を読んでみましょう。(1) Guatemala(グアテマラ) (2) Jorge(男性の名前) (3) Gibraltar(ジブラルタル)
答え
(1) グアテマラ。gua は「グア」です。
(2) ホルヘ。jo は「ホ」、ge は「ヘ」です。r は一回はじく音。
(3) ヒブラルタル。gi は「ヒ」です。r で終わるので、いちばん最後の tar を強く読みます。
México は x なのに、なぜ「メヒコ」なの?
México(メヒコ)、Oaxaca(オアハカ)、Texas(テハス)。これらの x は、j と同じ「ハ」の音で読みます。
昔のスペイン語では、x は「シュ」に近い音を書く文字でした。その後、音のほうが「ハ」に変わり、ふつうの単語のつづりは j に書きかえられましたが、メキシコの地名の多くは昔のつづりのまま残りました。
それ以外の x は、ふつう「クス」です。taxi(タクシ、タクシー)、examen(エクサメン、試験)。メキシコの先住民の言葉から来た地名では、「シュ」と読む x にも出会います。
c と z と qu: カ行とサ行の書き分け
スペイン語では、カ行の音とサ行の音のつづりが、うしろの母音によって変わります。表にすると、すっきりわかります。
| 音 | ア | エ | イ | オ | ウ |
|---|---|---|---|---|---|
| カ行 | ca | que | qui | co | cu |
| サ行 | sa, za | se, ce | si, ci | so, zo | su, zu |
ポイントは3つです。c は a、o、u の前ではカ行、e、i の前ではサ行になります。「ケ」「キ」は que、qui と書き、u は読みません。z は、うしろが何でもサ行です。
Cuba(クバ) Colombia(コロンビア) Quito(キト、エクアドルの首都) queso(ケソ、チーズ)
Cecilia(セシリア、女性の名前) cine(シネ、映画館) Zaragoza(サラゴサ、スペインの町)
k の文字は、kilo(キロ)や kiwi(キウイ)のような外来語にしか出てきません。スペイン語らしい単語のカ行は、c か qu です。
スペインでは th の音になる
ce、ci と z は、中南米ではサ行ですが、スペインの多くの地域では、舌先を上の前歯に軽く当てて息を出す、英語の think の th の音になります。Zaragoza なら、2つの z が両方とも th の音です。
どちらも正しいスペイン語なので、行きたい国や話したい相手に合わせて選べば大丈夫です。このコースのカタカナは、中南米式のサ行で書いています。
ch は日本語のチャ行
ch は「チャ、チュ、チェ、チ、チョ」で、日本語とまったく同じです。
Chile(チレ、チリ) chocolate(チョコラテ) churros(チュロス、巻き舌、チュロス)
例 スペインの町 Valencia と、飲み物の cerveza(ビール)を読んでみましょう。
Valencia: ci の c は i の前なのでサ行。va・len・cia の3つに分けて、後ろから2番目の len を強く読みます。バレンシア。
cerveza: ce の c は e の前なのでサ行、za の z もサ行。セルベサ。スペインでは、c と z の両方が th の音になります。
やってみよう 次の地名を読んでみましょう。(1) Cádiz(スペインの町) (2) Venezuela (3) Cancún(メキシコのリゾート地)
答え
(1) カディス。ca はカ行、最後の z はサ行で「ス」です。á に記号があるので、そこを強く読みます。
(2) ベネスエラ。zue の z はサ行。u と e はくっついて1つのかたまりになるので、ve・ne・zue・la の後ろから2番目、zue を強く読みます。
(3) カンクン。ca も cu もカ行です。ú に記号があるので、最後を強く読みます。
ローマ字のつもりで読むと、ずれる音
ここまでで、難しい音は終わりです。残りは日本語にもある音ばかりですが、ローマ字の感覚で読むと少しずれるものがあります。
h は読まない
前回も見たとおり、h は読みません。ハバナもホンジュラスも、スペイン語では「ア」「オ」で始まります。
hotel(オテル、ホテル) Honduras(オンドゥラス) La Habana(ラ アバナ、ハバナ)
ただし ch は h とは別の組み合わせなので、ちゃんと「チ」と読みます。
ti、tu、di、du、si、fu は日本語と違う
ローマ字では ti を「チ」、tu を「ツ」と読みますが、スペイン語では t の音のまま母音をつけます。ほかにも、日本語のローマ字と読み方がずれる組み合わせがあります。
| つづり | スペイン語 | ローマ字の読み | 例 |
|---|---|---|---|
| ti | ティ | チ | Argentina(アルヘンティナ) |
| tu | トゥ | ツ | tú(トゥ、あなた) |
| di | ディ | ジ | días(ディアス、日々) |
| du | ドゥ | ズ | Honduras(オンドゥラス) |
| si | スィ | シ | sí(スィ、はい) |
| fu | フ(下唇に歯を当てる) | フ(唇をすぼめる) | fútbol(フトボル、サッカー) |
si は特に注意です。日本語の「シ」は英語の she に近い音ですが、スペイン語の si は「ス」の口のまま「イ」と言う、「スィ」の音です。このコースでは読みやすさのために gracias を「グラシアス」のようにシと書いていますが、見かけたら「スィ」のつもりで読んでください。
f は、上の前歯を下唇に軽く当てて息を出す音で、fa、fe、fi、fo、fu のどれも同じです。
ll と y はヤ行
ll は、前回の llamo(ヤモ)と同じヤ行の音です(アルゼンチンなどでは「ジャ」「シャ」に近い音)。y も、うしろに母音があれば同じヤ行で読みます。
Sevilla(セビヤ) paella(パエヤ) playa(プラヤ、ビーチ) yo(ヨ、私)
y が1文字だけのとき(「そして」の y)や、単語の最後にあるときは「イ」です。muy(ムイ)、Uruguay(ウルグアイ)。
ñ はニャ行、b と v は同じ
ñ はニャ行です。España(エスパニャ、スペイン)、niño(ニニョ、男の子)。そして前回見たとおり、b と v はどちらも日本語のバ行で読みます。Bolivia(ボリビア)の b と v は、同じ音です。
例 メキシコの町 Tijuana を読んでみましょう。
ti は「チ」ではなく「ティ」。jua は j が「ハ」行なので「フア」。ti・jua・na の後ろから2番目を強く読んで、ティフアナ。
やってみよう 次の地名を読んでみましょう。(1) Santiago(チリの首都) (2) Mallorca(スペインの島) (3) Paraguay
答え
(1) サンティアゴ。ti は「ティ」です。san・tia・go の後ろから2番目、tia の a を強く読みます。
(2) マヨルカ。ll はヤ行です。
(3) パラグアイ。最後の y は「イ」です。y で終わる単語は、いちばん最後を強く読みます。
つづりを伝える: 文字の名前
ホテルのフロントで、電話の予約で、カフェで名前を書いてもらうとき。スペイン語圏で暮らしたり旅行したりすると、¿Cómo se escribe?(コモ セ エスクリベ、どうつづりますか)と聞かれる場面がよくあります。答えるには、文字の名前を知っておく必要があります。
| 文字 | 名前 | 読み方 |
|---|---|---|
| a | a | ア |
| b | be | ベ |
| c | ce | セ |
| d | de | デ |
| e | e | エ |
| f | efe | エフェ |
| g | ge | ヘ |
| h | hache | アチェ |
| i | i | イ |
| j | jota | ホタ |
| k | ka | カ |
| l | ele | エレ |
| m | eme | エメ |
| n | ene | エネ |
| ñ | eñe | エニェ |
| o | o | オ |
| p | pe | ペ |
| q | cu | ク |
| r | erre | エレ(巻き舌) |
| s | ese | エセ |
| t | te | テ |
| u | u | ウ |
| v | uve | ウベ |
| w | uve doble | ウベ ドブレ |
| x | equis | エキス |
| y | i griega | イ グリエガ |
| z | zeta | セタ |
全部を一度に覚える必要はありません。母音はそのまま、多くの子音は「ベ」「デ」「エフェ」「エメ」のように、その音に e をつけた名前です。まずは自分の名前に使う文字から覚えましょう。
いくつか補足です。h の名前 hache は、h を読まないのでやっぱり「アチェ」です。y は i griega(ギリシャの i)のほかに、ye(イェ)とも呼ばれます。中南米では、v を ve、w を doble ve と呼ぶ国も多くあります。同じ文字が2つ続くときは、doble ele(ll)、doble erre(rr)のように言います。
b と v は音が同じなので、電話などでは地名を添えて区別するのが便利です。be de Barcelona(Barcelona の b)、uve de Valencia(Valencia の v)。
例 ユキが自分の名前をつづります。
Yuki: i griega, u, ka, i.(Y、U、K、I です。)
やってみよう 次の名前を、スペイン語の文字の名前でつづってみましょう。(1) Tanaka (2) Fujita
答え
(1) te, a, ene, a, ka, a
(2) efe, u, jota, i, te, a
声に出すときは、ene や jota の強く読む場所(エネ、ホタ)にも気をつけましょう。
アクセント記号もつづりの一部
á、é、í、ó、ú の記号は tilde(ティルデ)といいます。つづりを伝えるときは、文字のあとに con tilde(記号つき)と言います。
Perú: pe, e, erre, u con tilde.
前回のレッスンで見たとおり、この記号は、ルールどおりでない場所を強く読むときの目印です。記号があれば、そこを強く読む。記号がなければルールどおり。これだけです。
Panamá(パナマ)は、記号がなければルールどおりにパナマになってしまいます。México(メヒコ)や Córdoba(コルドバ)は、後ろから3番目を強く読む単語です。
記号は、同じつづりの別の言葉を区別することもあります。sí(はい)と si(もし)、tú(あなた)と tu(あなたの)は、読み方は同じでも意味が違います。スペイン語では、記号を忘れるとつづりのまちがいになるので、書くときは忘れずにつけましょう。
例 日本の国名 Japón をつづってみましょう。
jota, a, pe, o con tilde, ene.
ó に記号があるので、強く読むのは最後の pón。ハポンです。記号がなければ、n で終わるので後ろから2番目の ja を強く読む「ハポン」になってしまいます。
やってみよう 次の名前や地名は、どこを強く読むでしょう。(1) Bogotá (2) Mónica (3) Málaga (4) Ramón
答え
(1) ボゴタ。á に記号があるので、最後の tá です。
(2) モニカ。ó に記号があるので、後ろから3番目の mó です。
(3) マラガ。á に記号があるので、後ろから3番目の má です。
(4) ラモン。ó に記号があるので、最後の món です。最初の r は巻き舌です。
聞き取れないときの一言
つづりや発音をたずねるときに便利な言い方を、あと3つ覚えておきましょう。これがあれば、わからない言葉に出会っても、その場で相手に教えてもらえます。
¿Cómo se dice «neko» en español?(コモ セ ディセ ネコ エン エスパニョル)「ねこ」はスペイン語で何と言いますか。
Otra vez, por favor.(オトラ ベス、ポル ファボル)もう一度お願いします。
Más despacio, por favor.(マス デスパシオ、ポル ファボル)もう少しゆっくりお願いします。
por favor は「お願いします」で、どんな頼みごとにもつけられます。前に Perdón をつけて Perdón, más despacio, por favor. と言えば、とてもていねいになります。
日本人の名前は、スペイン語を話す人にどう読まれる?
スペイン語を話す人は、ローマ字の名前をスペイン語のルールで読みます。会話の健太さんのように、ちょっと意外な読み方をされることがあります。
Hiroshi は h を読まないので イロシ。Fujita は ji が「ヒ」になって フヒタ。Kazuya は z がサ行なので カスヤ。それに、記号のない a で終わる単語は後ろから2番目を強く読むので、Sakura は サクラ と、日本語とはだいぶ違う調子で読まれます。
よくある工夫は、健太さんのように、相手が読みやすい言い方で言い直すことです。名前にハ行の音があれば j を使って Jiroshi、ji があれば Fuyita のように言うと、日本語に近い音で呼んでもらえます。カフェのカップに書いてもらう名前なら、それで十分です。もちろん、パスポートと同じつづりが必要な場面では、正式なつづりを伝えましょう。
単語
| スペイン語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| ¿Cómo se escribe? | コモ セ エスクリベ | どうつづりますか |
| ¿Cómo se dice ... en español? | コモ セ ディセ ... エン エスパニョル | 〜はスペイン語で何と言いますか |
| otra vez, por favor | オトラ ベス、ポル ファボル | もう一度お願いします |
| más despacio, por favor | マス デスパシオ、ポル ファボル | もう少しゆっくりお願いします |
| por favor | ポル ファボル | お願いします |
| perdón | ペルドン | すみません、失礼しました |
| no pasa nada | ノ パサ ナダ | 大丈夫、気にしないで |
| sí | スィ | はい |
| no | ノ | いいえ |
| bienvenido / bienvenida | ビエンベニド / ビエンベニダ | ようこそ(男性に / 女性に) |
| tilde | ティルデ | アクセント記号 |
| español | エスパニョル | スペイン語 |
| japonés | ハポネス | 日本語 |
| España | エスパニャ | スペイン |
| Japón | ハポン | 日本 |
| pero | ペロ | でも |
| perro | ペロ(巻き舌) | 犬 |
| gato | ガト | 猫 |
| gente | ヘンテ | 人々 |
| niño / niña | ニニョ / ニニャ | 男の子 / 女の子 |
| queso | ケソ | チーズ |
| jamón | ハモン | ハム |
| cerveza | セルベサ | ビール |
| chocolate | チョコラテ | チョコレート |
| hotel | オテル | ホテル |
| playa | プラヤ | ビーチ、海辺 |
| cine | シネ | 映画館 |
練習問題
問題を始める前に、最初の会話をもう一度、声に出して読んでみてください。今なら、健太さんがなぜ Jayashi と言い直したのか、はっきりわかるはずです。
基本
1. 次の単語の r は、一回はじく音と巻き舌のどちらでしょう。(a) rosa(バラ) (b) toro(雄牛) (c) tierra(土地) (d) Marta(女性の名前)
答え
(a) 巻き舌。単語の最初の r です。(b) 一回はじく音。(c) 巻き舌。rr です。(d) 一回はじく音。
2. 次の単語の c は、カ行とサ行のどちらで読むでしょう。(a) casa(家) (b) cena(夕食) (c) Cuenca(エクアドルの町) (d) Lucía
答え
(a) カ行。カサ。(b) サ行。セナ。(c) どちらの c もカ行。クエンカ。(d) サ行。ルシア。
c のうしろが a、o、u ならカ行、e、i ならサ行です。
3. 次の名前や地名を読んでみましょう。(a) Granada (b) Jesús (c) Guillermo
答え
(a) グラナダ。ga はガ行です。
(b) ヘスス。je は「ヘ」、ú に記号があるので最後を強く読みます。
(c) ギイェルモ。gui は「ギ」で u は読みません。ll はヤ行です。
4. 次の単語を読んでみましょう。h に注意してください。(a) Hugo(男性の名前) (b) helado(アイスクリーム) (c) Alhambra(グラナダの宮殿)
答え
(a) ウゴ。(b) エラド。(c) アランブラ。どれも h を読みません。単語の途中にあっても同じです。
5. 文字の名前でつづりを言われました。何という単語でしょう。(a) ce, u, be, a (b) hache, o, te, e, ele (c) pe, e, doble erre, o
答え
(a) Cuba (b) hotel (c) perro(犬)。rr なので doble erre です。pe, e, erre, o なら pero(でも)になります。
6. 次の言葉は、日本語で何という意味でしょう。(a) Otra vez, por favor. (b) No pasa nada. (c) ¿Cómo se escribe?
答え
(a) もう一度お願いします。(b) 大丈夫、気にしないで。(c) どうつづりますか。
7. 相手の話が速すぎて聞き取れません。「すみません、もう少しゆっくりお願いします」とスペイン語で言いましょう。
答え
Perdón, más despacio, por favor.
más の á の記号を忘れずに。聞き取れたら、Gracias. とお礼を言いましょう。
応用
8. メキシコの地名です。読み方をカタカナで書き、強く読むところに印をつけましょう。(a) Zacatecas (b) Guadalupe (c) Chihuahua
答え
(a) サカテカス。za はサ行、ca はカ行です。s で終わるので後ろから2番目。
(b) グアダルペ。gua は「グア」です。
(c) チワワ。hua の h は読まないので「ウア」、速く言うと「ワ」に聞こえます。犬のチワワは、この州の名前から来ています。
9. 次の言葉を、文字の名前でつづりましょう。(a) Kioto (b) Sevilla (c) Gómez(よくある名字)
答え
(a) ka, i, o, te, o
(b) ese, e, uve, i, doble ele, a。中南米なら uve の代わりに ve でも正解です。
(c) ge, o con tilde, eme, e, zeta
10. 次の単語は、カタカナの太字のところを強く読みます。アクセント記号が必要なものには記号をつけ、いらないものはそのまま書きましょう。(a) Peru(ペル) (b) Malaga(マラガ) (c) Carmen(カルメン) (d) cafe(カフェ)
答え
(a) Perú。記号がなければ、u で終わるので後ろから2番目の pe を強く読むことになります。
(b) Málaga。後ろから3番目を強く読むのは、記号がないとできません。
(c) Carmen。n で終わるので、ルールどおり後ろから2番目。記号はいりません。
(d) café。e で終わるのに最後を強く読むので、記号が必要です。
11. スペイン語を話す人が、ルールどおりに読むと、次の日本人の名前はどう聞こえるでしょう。(a) Hanako (b) Gentaro (c) Jiro
答え
(a) アナコ。h を読みません。
(b) ヘンタロ。ge は「ヘ」です。
(c) ヒロ。ji は「ヒ」です。
日本語に近く呼んでもらいたいときは、(a) なら Janako、(b) なら Guentaro、(c) なら Yiro のように言い直すと伝わります。
12. カフェで、店員さんがカップに名前を書いてくれます。かっこに、リョウ(Ryo)のせりふを入れて会話を完成させましょう。
Barista: ¿Cómo te llamas?
Ryo: (1)(リョウです。)
Barista: ¿Cómo se escribe?
Ryo: (2)(R、Y、O です。)
Barista: Perdón, otra vez, por favor.
Ryo: (3)(R、Y、O です。)
答え
(1) Me llamo Ryo. または Soy Ryo.
(2) Erre, i griega, o.
(3) Erre, i griega, o. 二度目は、少しゆっくり言うと親切です。i griega の代わりに ye と言っても正解です。
13. 次の会話を日本語にしましょう。
A: ¿Cómo se dice «arigato» en español?
B: Gracias.
A: ¿Cómo se escribe?
B: Ge, erre, a, ce, i, a, ese.
答え
A: 「ありがとう」はスペイン語で何と言いますか。
B: グラシアスです。
A: どうつづりますか。
B: G、R、A、C、I、A、S です。
チャレンジ
14. 自分の名前(名字と名前)を、スペイン語の文字の名前でつづって書きましょう。そのあと、スペイン語を話す人がルールどおりに読むとどう聞こえるかをカタカナで書き、日本語に近く呼んでもらうための言い直し方も考えてみましょう。
答え
解答例(藤田はるかの場合):
つづり: efe, u, jota, i, te, a と hache, a, erre, u, ka, a
スペイン語のルールで読むと: フヒタ、アルカ
言い直すなら: Fuyita、Jaruka
チェックポイント: h、j、z、ge、gi、ti、tu のような、読み方が日本語のローマ字とずれる文字に気づけたか。文字の名前の強く読むところ(エフェ、ホタ、アチェなど)に気をつけて声に出せたか。
15. スペイン語の早口ことばです。カタカナを見ずに、声に出して3回ずつ読んでみましょう。(1) では、すべての r が一回はじく音か巻き舌かを考えてから読んでください。
(1) Erre con erre cigarro, erre con erre barril, rápido ruedan los carros del ferrocarril.(rr で cigarro(葉巻)、rr で barril(たる)。鉄道の車両が速く走る。)
(2) Tres tristes tigres tragan trigo en un trigal.(3頭の悲しいトラが、麦畑で麦を飲みこむ。)
答え
(1) エレ コン エレ シガロ、エレ コン エレ バリル、ラピド ルエダン ロス カロス デル フェロカリル。
r は全部巻き舌です。erre、cigarro、barril、carros、ferrocarril は rr、rápido と ruedan は単語の最初の r だからです。ferrocarril には巻き舌が2回あります。
(2) トレス トリステス ティグレス トラガン トリゴ エン ウン トリガル。
こちらは反対に、r は全部一回はじく音です。tr は、t と r の間に母音を入れず、一息で言えるとぐっとスペイン語らしくなります。ti は「チ」ではなく「ティ」です。
最初はゆっくりで大丈夫です。スペイン語圏の子どもたちも、この早口ことばで巻き舌を練習します。